のこのこいきる

26歳で若年性乳がん患者となりました。現在29歳。治療のことや日記

がん患者と妊孕性のニュース

「がん患者に子どもを」指針を公表 | NHKニュース

最近、上記のようながん患者の妊孕性についての記事が目につくように思われます。これは、私自身が患者となったことで目につきやすくなった他、有名人の乳がん患者のニュースが話題になったことで注目度が上がっていることもあるのではないでしょうか。

そして、若年性乳がんの患者さんの中にも、抗ガン剤後の妊孕性について十分な説明を受けられないままに治療に入る方々が多いということに驚きました。

私の通う大学病院では、治療の際にまず、この妊孕性の問題について触れられ、外科手術と抗ガン剤治療の間に結婚と受精卵凍結を行いました。

既に転移が見つかった為、私がこの受精卵を使用できるかは怪しいのですが、長い治療を受けるにあたって、この「保険」は大きな安心を与えてくれています。

でもこれ、私が受診した病院や主治医がたまたまその辺を重視していて、他の病院と連携してくれただけ。私が自分で調べて、主治医にお願いした訳ではありません。

こんな大切なことが運任せみたいになって、選択肢が示されないのはどうなの?と考えずにはおれません。

(ちなみに私が友達に治療の話をすると、皆が一番興味を示すのは受精卵凍結の話です。何するの?痛いの?幾ら掛かった?と質問が多いのは、皆が興味はありつつも「何だか大変らしい」という漠然としたイメージだけで、実態を知る機会も無いからなのでしょう。)

 

 

ただし、選択肢が示されたからといって、費用の問題は大きく、高額な抗ガン剤治療を控えていると思うとすぐに決断できないこともあるでしょう。

一度のトライで採卵や受精に成功しても30〜40万はかかりますし、何度かトライするとなるともっとかかりますから…。

不妊治療費の負担は(市町村により補助はありますが)10割負担。せめて、がん患者の治療の一環として、保険適用になれば…と思わずにはおれません。いや、本当ならば不妊治療だって「治療」なんだから、望む人全てに保険適用されれば良いのに。少子化だって言う割にその辺のハードルが高いのは、意外と知られてないような気もします。